船釣りの魅力

最近は遊漁船の釣りにハマっています。
その理由はいくつかありますが、それについて語っていきたいと思います。

理由その壱「ポイント争奪戦が無い」
渓流釣りもそうですが、ショアからの釣り(特にエギング)は有望なポイントに入れるかどうかがとても重要です。
それにより釣果はもちろんですが、気持ちが大きく変わってきます。
お目当てのポイントに入れれば「やる気満々」で挑めますが、「お目当てのポイントは先行者有りでその他のポイントも人だらけ」だったりするとテンションはダダ下がりです。
遊漁船の場合、基本的にターゲットの居るポイントで釣るわけですし、釣り座による釣果の差はあるにせよ気持ちに余裕があります。
また、船中で釣れている人の情報をもとにより良い釣果を上げることもできます。
以前朝一仕事前の渓流の釣りで痛恨の思いをしたことがあります。
自動販売機で缶コーヒーを買っているときに通り過ぎた車の釣り師にお目当てのポイントに先に入られ、素晴らしい獲物をキャッチされてしまいました。その釣り場はまとまった雨の後などにダム湖から大物がさしてくるので、そのチャンスを何としても捕らえねばならないのですが…。
このようなポイント争奪戦は精神衛生上も良くなく、できるだけ避けたいという思いが年々強くなってきました。

理由その弐「イコールコンディションでの競い合い」
釣り座による多少の釣果の差はあるでしょうが、大きな群れに入ればみんなにチャンスがあります。
ましてや「どてら流し」の釣りであればほぼ「イコールコンディション」です。
イコールコンディションの中でいかに釣果を上げるかが船釣りの醍醐味でありエキサイティングなところです。
「いかに釣れる確率をあげるか」「いかに手返し良くするか」などを考えながら日々研究するのはとても楽しいものです。
また、それらに基づき釣行イメージをしながらする前日準備はドキドキするご機嫌な時間です。
遠足前夜になかなか寝付けない子どものようです。
そして、日々の研究や綿密な準備が功を奏して「竿頭」をとった時などは最高に誇らしく感じます。

遊漁船の釣りは相応の船代がかかりますので、釣果が悪かった時のショックも大きいですが、ショアからでは得られない釣果が可能です。
思わぬ上物ゲストが釣れることもよくあります。
僕のような魚料理好きにはやはりこれは何ものにも代えがたい魅力です。

ロッドの持ち方と釣果の相関関係

今回はティップランの竿の扱いについて語ります。
ティップランエギングにおいての「ステイ」が最も重要であることは前述の通りですが、「安定したステイ」を生み出すために上下方向を受け持つのがロッドワークです。(横方向はエギにお任せです)
通常の波高であれば、ステイの際のロッドの持ち方しだいで上下方向のエギの揺れを制御できます。

その持ち方が「イカ先生」こと富所潤氏が推奨している「ワイングラス持ち」です。
掌の上に置くだけでロッドもリールのハンドルも握りません。
この持ち方は船の揺れに合わせてロッドがフリーで上下に動いてくれますし、人差し指がとても敏感でアタリが抜群に取りやすいです。
波が高い時はこれプラス膝の伸縮で揺れを吸収します。

逆に多くの人がやっているのがこの写真のような持ち方です。
ロッドを普通に握り、リールのハンドルも掴んでいます。
これだとロッドが身体の動きに同化するため、ステイさせているつもりでも波の上下に合わせてエギも上下に動いてしまいます。
リールのハンドルも握っているためアタリも伝わりづらくなります。
イカが抱いた時、合わせと同時に巻き始めようとしているのかもしれませんが、合わせてから1~2秒でハンドルに手を持っていけば充分です。
ハンドルより先にドラグに手がいく状況もあります。

波の揺れに任せてロッドティップが常に上下していたり、ましてや船べりロッドを預けているのでは到底「安定したステイ」は望めず、イカを抱かせるチャンスは殆どありません。
アオリイカをティップランで釣るのであれば何はともあれ「シャクリよりもステイ」と肝に銘じるべきです。